きっかけ
夏の終わりの風物詩である読書感想文。僕はいつもiPadで作文の下書きを書いてからそれをノートに写すというスタイルで書いていたのですが、その場合、『下書き書けた!』と思ったら、まだ鉛筆を持って提出ノートに文章を書き写す作業が残ってるんですよね、、、泣き面に蜂、二重苦。
そうだロボットに鉛筆持たせて書いてもらおっと
という事で、制作開始。きっかけなんてこんなもんです。
調べていくうちに、3Dプリンタが構造的に似ているということがわかって、まず3Dプリンタを制作することに。
しかし、いきなり問題発生
確かに3Dプリンタを自作するサイトは数多くあるのですが、キット買ってきて作っているだけであったり、大抵のサイトが
『3Dプリンタを自作するには、まず3Dプリンタを買って部品を作りましょう(キリッ!)』
いやいや、もうそれ買っちゃってるやん。本末転倒。鶏が先か、卵が先か。
本当に探しても、この当時は完全自作の3Dプリンタの情報は全くありませんでした。 しょうがない。設計からやるか!
設計
設計はFusion360というソフトを使用して制作しました。
シャフトやアルミフレームは既製品を買って使うことになるので、何を使うかを見越して設計していくのはなかなか骨の折れる作業です。
3Dプリンタで部品を制作する場合は有機的なデザインも可能なのですが、全て木で置き換えなくてはならないので、どう組み合わせるかを考えるのにも一苦労。
良ければ下のリンクの設計図もご覧下さい。
部品集め
機械部品はモノタロウ、電子部品はAmazon、その他はebayなどで揃えました。
暇な方は数字を足してみてください。他にも買ったものは色々とありますが、市販の3Dプリンタよりは安くなっているはずです。
機械部品制作
本来であれば、3Dプリンタから生まれる3Dプリンタ。
僕の場合、木の部品は全て作らなければなりません。
そこで木材を購入し、物理部顧問のE本先生に頼み込んで、物理部で制作することに。(ここまでは完全に趣味でやってました)
木材を学校に運んでは加工して持って帰るという超非効率的な作業が続くことに、、、
絵面の汚さが返って自作感を醸し出してて、いいですよね。
電子部品制作
基本的な構成部品は以下の通り。
- ステッピングモーター(ノズルや台を移動させる)
- ヒーター(樹脂の加熱や台の加熱)
- 温度センサー(ヒーターの温度制御)
- LCD液晶表示(各種設定やステータス表示)
- SDカード読み込み(スタンドアロンで使用できる)
これらの部品の制御を司るのが、みんな大好きArduinoです。
いつもならこのArduinoを使うのですが、3Dプリンタ用途で使用するには問題点が二つ。
- ピンの数が圧倒的に少ない(30本は最低でも必要)
- Flashメモリの容量が少ない(プログラムが収まらない)
そこで登場Arduino Mega!
『こんなの一生使わねー!』と思ってたんですけどね、、、
回路図
はい。好きな人だけ見てください。理解しろとは全く言いません。
実際、今僕が見ても何を書wi;@]/;
でも、電源回路だけは見てほしい!
電源には安価なATX電源を使用し、見ていただければわかるように、
- 電源スイッチを押すと自己保持回路が起動
- ATXのPS_ONがGNDに落とされ、電源ON
- ArduinoのD43がHIGHになると自己保持が解除され、電源OFF
自分で考えた回路がちゃんと動くって、めっちゃ嬉しい!
ドライブ基板
回路全体
回路図だけ見たらとてもシンプルなんですけどね、、
全てユニバーサル基板で半田付けして制作したので、かなり配線がややこしくなってしまいました。
マイコレクション(一部)
見る人が見れば、宝の山。他の人からするとただのガラクタ。
大抵の部品は日本橋に行かなくても揃ってるので、欲しかったら言ってね(もちろん料金割増)
プログラミング
確かに最初は、自分で書こうとしてました、理由は「3Dプリンタではなくて、代筆マシーンを作りたかったから。」
機械に代筆させようと思いつく奴なんて、相当な暇人か変人ぐらいなものなので、どこにもソースコードは置いていません(当たり前)
そういうことで、製作開始したわけですが、目前に立ちはだかる大きな壁がいくつか。
- 同時に処理することが多すぎる(モーター駆動、シリアル通信処理、LCD表示etc)
- レジスタとか直接いじらないと処理が追いつかない
- オープンソースの方がコミュニティがある(当たり前か)
極めつけが
読書感想文の宿題が無くなったww
はい。先生が読書感想文を課さなくなりました。計画頓挫ですね。
大人しく、3Dプリンタ作りますね。
ここは素直にオープンソースのRepetier Firmwareを使いました。Marlinも使ったのですが、g-codeの転送がボトルネックとなり処理落ちするので、前者をオススメします。
完成!
自家製3DP回していく
— 甲陽學院髙等學挍 物理部 (@koyobutsuri) 2018年8月12日
↓詳細はこちら(宣伝)https://t.co/uoUTCfrc8M pic.twitter.com/Qp5ZdGQtA6
はやっ。文面上ではあっという間ですが、ここまで半年はかかってます。
モータードライバを反対に取り付けて壊したり、半田の煙吸いすぎての咳が止まらなくなったり。
まとめ
木製3Dプリンタだからと言って侮るなかれ!
積層ピッチを0.05mmにしてもちゃんと印刷できました。あと改良点としてあげるならば、送りネジによるウォルブが現れてしまうということです。これさえ克服すれば、完璧な3Dプリンタとなるのですが、それはまた今度。